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昔1枚の写真を見てあこがれた景色。現れたすっぴん姿はさらに鮮やか。

岩の上にのっかる修道院、精神修業に必要なものはたいてい不便さ。

難攻不落の要塞のようにして、たぶん世の中の無尽の誘惑を防いでいる。

荒々しい岩山にちょっとだけ神々しさ。

断崖絶壁の上は、まさかの花と緑があふれるインスタント天国。

チープな岩の上に大ざっぱな修道院。そんな小さな置き物が心をなごませるお土産。

フワっと力む足、端に立ったときだけ思い出す。

せわしない観光客の足をも止める神聖さ。

地上に居るときより、少しだけ空に近さ。

昔と同じ方法で荷揚げするのは、昔とは違う大量ペットボトル。

見つけにくい、というのも大事なサプライズ。

タクシーの車窓から、似たような写真を大量生産。

既視感を勝手に作りだしているのはゲームやアニメ。

断崖絶壁の頂上へ向かう階段は、始まってすぐに非日常。

昔はなかった階段。恐怖の欠片はまだ残る。

垂直の崖の上の安心感と修道院の安らぎ、ダブル効果で心を解放。

下からも上からも絶景を味わえるいい時代。

平和を作り出す装置、十字架。

何億年という歴史の上に流れる時間はきっとタイムラプス。

作り物でもAIでもない世界の広さ。

素敵な町を日帰りにしてしまうと、帰り道は2度目の訪問で頭いっぱい。

選択肢が多すぎない、それが小さな町のいいところ。

昔すでに驚き済み。白い綿をつけたコットン畑が服へと変わる。

町に着くずいぶんと前から期待が上がる。
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